回転鮨

お花をデッサンしていると
私の時間と周りの時間の間に
透明な溝ができる。
私の後ろをたくさんの人が、ただ通り過ぎる。
「綺麗ね〜」とか言いながら。
「なんか、顔みたいで怖いから嫌いなんだよね〜」とか、
「こういう派手なんは嫌い」とか…
飲食禁止なのにプシュってジュース開ける音。
お花の前でやめて!!って思って振り返ると、
さっと隠す人。
隠すんなら、飲食禁止って知ってるんじゃん。

まるで、私服警備員みたい。
でもね、お花だって人を観察してるのよ。
話だって聞いてるし。

こんなに綺麗なのに、ただの花見
見てても半分も見えてない。
目を合わすことなく通り過ぎていく。

お花の命はとても短いのに。
星が流れるみたいに早くて、
魔法のように輝いていた花びらも
次の日にはもう光を失っているの。
私の手は亀のように遅くて掬いきれない。
ほんの数日しか一緒にいれなかったけれど

あの子達の光を
私の手で再現できるといいのになぁ。

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